
岩淵はすぐそばを荒川が流れている川辺の町です。岩槻へ抜けるための宿場町で旅人はここで一泊したのちに渡し舟に乗って岩槻へと歩みを進めたそうです。
この荒川はその名の通り「荒ぶる川」であり、周辺の地域はいつも水害に悩まされていました。この水害から町を守るために作られたのが岩渕大観音です。10mほどもある銅で作られたご尊像は、地域の人たちが集めた貴金属によって作られたと伝えられています。
今でも出勤前や帰宅前の人たちは、その前を通るたびに手を合わせて日々の安寧を祈っています。まさに地域を見守る大観音なのです。
慌ただしい朝でも働きに出かける人たちは皆その前で手を合わせていきます。その日の仕事がうまくいくように、短い時間の中でも自らを内観した後、再び歩みはじめます。
一日の活動を終えて帰路を急ぐ道すがら、再び大観音の前で手を合わせます。その日一日を一生懸命に過ごすことができたことに対する感謝の気持ちを込めて。
この得難い平凡な毎日がこれからもずっと続くことを岩淵大観音は見守り続けていらっしゃるのです。
