お知らせ

住職より~1月の写経会を終えて

称号十念
1月の写経会を無事厳修いたしました。

前回は、「少欲知足」の大切さを皆で再確認しました。周りを比較することなく自分自身の今の環境に感謝することが穏やかな毎日を過ごす上でとても大切です。これができるだけでも眼前に広がる毎日の風景は大きく変わるのではないかと思っています。

さて。

1月は「一心不乱」ということの大切さを再確認しました。この要語は『阿弥陀経』に「ただひたすらにお念仏をお称えしていれば最期に阿弥陀様がむかえにきてくださる」というくだりででてきます。

これは、ひとつことに集中することですね。まさに今、私たちは写経という行為に集中して取り組もうとしているところです。集中するという行為は脳の活動においてもとても重要ですし、集中した後は気持ちも前向きになる気がしますね。

そして、「一心不乱」において最も重要なことは「乱れない心で」諸事にあたることにあります。

受験勉強や仕事など自分のできる限りを尽くしながら、心を乱すことなく「必ずやり遂げられる」「絶対に大丈夫」と思い続ける心が大切なのです。持病や手術に臨むときも同様です。「絶対に治る」と思い続けることが重要です。もしもうまくできないようなら声に出して言うのもよいでしょう。お念仏だって口に出して称えるのですからね。

自分ではどうにもできないことについても、心を乱すことなく「絶対に大丈夫」と思うことが大切です。

年明け早々、悲しい出来事が立て続きました。能登半島の地震などは毎日のように悲しい映像が流れて心が痛みます。私たちにできることは募金ぐらいのものです。にも拘わらず、いくら私たちがテレビの前で心を痛めても現地の状況がそれでよくなるわけではありません。大切なことは、「能登半島は必ず復興してきっとまた素敵な環境を私たちに見せてくれるに違いない」と思うことです。そう思いながら自分たちがやるべき事を引き続き一生懸命やりつづけることです。

「一心不乱」という要語から語られる大切なこともやはり、私たちはすでに知っていることです。にも拘らず、日々の生活ではそのことを忘れ乱れた心で右往左往しています。あるいは、理解していても乱れた心を一つにすることができずに苦悩しています。

だからこそ、完璧にはできなくても、常にそのことを忘れずに意識し続けることが大切なのです。

今月の写経会では、少しでも心を乱すことなく穏やかに過ごすことができるよう願文に「一心不乱」と書くことをお勧めしました。次の写経会は2月です。参加された方々が次の写経会まで穏やかな生活ができるようにご祈念しながら、写経会を無事にお勤めさせていただきました。

合掌