今月の念仏ヨガ教室・法話とはじめてのヨガクラスのテーマは、「生死(しょうじ)」です。
「生きる」とはどういうことか。「死」とはどこにあるのか。
普段は目を向けることの少ないこの問いを、お釈迦様の言葉とともに、呼吸と体を通じて静かに見つめていきます。
お釈迦様が認めた「本当の答え」
お釈迦様が記された最も古いお経の一つ『四十二章経(しじゅうにしょうきょう)』の中に、非常に鋭い問答が残されています(大正蔵 第17巻 No.784)。
お釈迦様が弟子たちに「人の命の長さは、どれくらいだと思うか?」と問いかけました。ある弟子は「数日です」と答え、別の弟子は「食事の間(わずかな時間)です」と答えました。
どちらも「命は短い」と言っているのですが、お釈迦様は「お前たちはまだわかっていない」とはねつけました。
最後に一人の弟子が答えました。
「呼吸の間(かん)にあります」
つまり、一息吐いて、吸うまでの間。
そのわずかな瞬間にこそ命がある、と。
するとお釈迦様は、「その通りだ。お前こそが真実を理解している」と深く頷かれたのです。
「思い通りにならない」からこそ、お任せする
「一呼吸の間しか命がない」なんていわれても、正直実感はありません。
私たちは普段、「明日がある」「来年がある」と未来を握りしめて安穏としているからです。
実は一息吐いて次が吸えなければ、そこで人生は終わってしまう不確かな存在(凡夫)なのです。
一方で呼吸を自分の意志で止め続けておくこともまた困難です。
生きようと力まなくても、体は勝手に息を吸い、命を繋いでくれています。
私たちは自分の力で生きているのではなく、この不確かな呼吸の繰り返しの中に「生かされている」のです。その不完全な自分を認め、大きな流れにお任せする。
その前提に立った時にこそ、心の平穏があり、ここを起点とした「これからどうするか」が輝いてくるのです。
手放して、新しくなる
今月の念仏ヨガは、お釈迦様が言われた「呼吸の間にある命」を体感する時間です。
- 深く呼吸をする
- 体をゆるめる
- 「南無阿弥陀仏」と称える
一息吐くごとに、握りしめていた執着や緊張を一度手放し、小さな死を迎える。
そして一息吸うごとに、新しい命を世界から授かる。
その「死と再生」の繰り返しを、一歩ずつ自分のペースで味わっていきましょう。
偉大な真理を完全に悟ることは難しくても、今この一息を大切に称え、体を整える。
そのささやかな実践を、自分自身の誇りにしていきましょう。
今月も、生かされていることへの感謝と決意を込めて。
ご自身のペースで、ゆっくりとお越しください。皆様のご参加をお待ちしております。
正光寺 住職 拝
正光寺 念仏ヨガ教室
【法話とはじめてのヨガ】
毎週火曜日 10:30〜11:30
初回1,000円/2回目以降 お布施(〜3,000円)
