国際協力の現場から見える幼児教育の多様性~正光寺保育園杉本園長講演レポート~

2月7日(金)

正光寺保育園吉田町園の杉本園長は、東京都板橋区に所在する中台中学校で、6年生124名を対象に講演を行いました。今回のテーマは「実際に世界に出て活動していた方の話を聞き、日本や世界の問題に対して解決しようとする姿勢を養おう」。また、発展途上国の現状を学び、私たちにできることを考える機会として位置付けられました。

《国際協力への道と幼児教育との出会い》

講演では、なぜ保育士から国際協力の道を選んだのか、その理由やきっかけ、さらにはご自身の経歴や背景を交えながらお話されました。また、日本の幼児教育との違いと共通点にも触れ、中学生という年齢層に寄り添うため、「中学生の頃、どんな夢や思いを抱いていたか」という自身の体験も交え、より身近でリアルなエピソードが展開されました。

《国ごとの幼児教育のあり方の違い》

杉本園長は、幼児教育の在り方が国によって大きく異なることを具体的に紹介されました。たとえば、ガボン共和国の幼稚園や保育所では、小学校入学前に子どもたちが困らないよう、読み書きや数字、色彩といった基礎的な学習を重点的に行います。

一方、日本では、遊びを通じて育む教育が主流です。ガボンでは、試験があり、たった3歳の子どもたちが机に向かって1時間ワークブックに取り組む様子は、日本の幼児教育を予備校に例えるほどの違いがあります。

しかし、重要なのは、これらの違いを「どちらが正しい、どちらが間違っている」という評価ではなく、その国にあったやり方を認め合うことが、国際理解への第一歩であり、そこから様々な活動が生まれ、深まっていくという点です。

《多様な視点を受け入れる心と「和顔愛語の保育」》

杉本園長は、国際協力の現場で培った経験から、幼児教育においても「違い」を受け入れる姿勢が大切であると力説されました。異なる国の教育方法を理解し尊重することで、子どもたちはより広い視野を持ち、将来の問題解決へ向けた意識を育むことができます。

正光寺保育園が大切にしている「和顔愛語の保育」は、温かな笑顔と優しい言葉で互いを思いやり、子どもたちの心と主体性を育む保育です。異なる文化や教育方法を認め合い、尊重するという杉本園長のお話はその点もしっかりと踏まえてくださっています。「和顔愛語の保育」の実践により、子どもたちは安心感の中で自分自身の可能性を見出し、日々新たな学びを得ていくのです。

《“違い”を学びに変えて、子どもたちとともに未来へ》

今回の講演は、世界の多様性を知り、それを受け入れることの大切さを改めて実感させる場となりました。「新しい文化との出会いは、自分自身の成長にもつながる」——杉本園長の熱意あふれるお話に、児童たちは大いに引き込まれた様子です。

正光寺保育園では、子どもたちの個性と可能性を尊重しながら、「和顔愛語の保育」のための温かな環境づくりに日々取り組んでいます。杉本園長の国際協力の経験と、幼児教育に対する深い洞察は、私たち一人ひとりが未来へ向けた新たな一歩を踏み出す大きな励みとなることでしょう。

 

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