法事・葬儀は誰のためにおこなうのか
葬儀も法事も、死んだ人のために行うのではありません。生きている人、自分自身のために行うのです。死者との対話を通じて、自分を内観し、これからの人生を一生懸命に、穏やかに、健やかに生きていくために行うのです。
なぜ「大切な人」「故人様」といった言葉ではなく、あえて「死者」という言葉を使ったのか。それは、「死者」が自分にとってどういう存在であったかは、人によってまったく異なるからです。
「尊い存在」「絶対に失いたくなかった存在」として受け止めている人もいれば、「反面教師としての存在」「死んでくれて清々した存在」と捉えている人もいます。多くの人はその間にある、さまざまな感情のグラデーションの中にいるのです。
自分にとって「死者」がどのような存在であったとしても、その人はすでに亡くなっています。これからは、その人がいない世界で生きていくのです。そんな自分自身と、自分を取り巻く環境が「今どうあるのか」、そして「これからどうするのか」。それを見つめ、考えながら生きていくために内観をするのです。内観を行う上で、最も効果的な環境の一つが、葬儀と法事です。
だからこそ、葬儀と法事をしなければならないのです。
葬儀と法事の詳細については、各項をご覧ください。