制度として休みが保障されていてもそれを安心して使うことができるとは限りません。周りに気を使うこともあるでしょう。正光寺保育園では、安心してライフイベントをはじめとするあらゆる事情による休みを取りやすくするために、今まで様々な取り組みをしてきました。たとえば、不測の事態に即応する保育支援室を設置したのも、そうした課題を解決することが目的の一つであったのです。
ただ、この問題は、一保育園だけで完全解決しようとしてもなかなか上手くいきません。人を多く雇う事にも限度があるからです。更なる解決をさせていくためには近隣の保育園と連携し、協力し合って仕組みを作っていく必要があります。

正光寺保育園赤羽岩淵園の園長を務めている春川先生は、子どもたちはもちろん、保護者や地域、そして保育士一人ひとりの笑顔を大切にする、とても熱意ある先生の一人です。
春川先生に一連のお話をすると、強く賛同してくれました。しかし、それを実現するためには、園長を降りて課題解決の専属職員とならなければなりません。1か月の間、悩みや不安を抱えながら熟慮した末、ついに覚悟を決め、保育士の就業環境改善のために尽力する決意をされました。今まで悩んでいたのが嘘のように表情は晴れ渡り、取り組む未来への高ぶる気持ちが抑えられない様子に、こちらもエネルギーをもらえるようです。

来年度からの活動については、喧々諤々と議論を重ね、その準備を始めていくことになりました。

この活動は、保育士として社会に貢献しようとしている人たちの就業環境を劇的に改善させることができる可能性があります。正光寺保育園では、正光寺の理念である「正智と和合」つまり、「いまどうあるか、これからどうするかを考えて行動すること」を大切にしています。理念に基づき、保育園でもあらゆる課題としっかりと向き合いどうしていくべきか考えて行動し続けているのです。