正光寺の供養会では原則あらゆるものを供養します。(以下、ここでは人間以外を前提としてお話をします)
供養とはなんでしょうか。それは感謝の気持ちの表明です。供養する対象があったおかげで今の自分があるのです。そのことに感謝をするための儀式です。供養をするということは「大切なもの(供養する対象)」とのお別れをするということでもあります。これからは「大切なもの」がなくても一生懸命生きていくという決意表明でもあるのです。
日ごろから私たちは沢山のものによって生きることができています。食事、洋服、道具などなど、上げたらきりがありません。そのひとつひとつに私たちは感謝をすることが大切です。
長く履いた靴、足を守ってくれてありがとう。
ちびっこの頃から着ているパジャマ、睡眠の質を上げてくれてありがとう。
いつも食べているお気に入りの産地の白米、おいしく食べさせてくれてありがとう。
30年以上仕事で使っていた工具、リタイヤするにあたり今まで自分の仕事を支えてくれてありがとう。
店先に飾っている狸の置物、長年店を守ってくれてありがとう。
子どものころから生活を共にしたクマのぬいぐるみ、社会人になるに際して今までありがとう。
心からの感謝を伝えたら、心配いりません。丁重にゴミとして捨てましょう。それはまた別の形に生まれ変わって誰かのために活躍することでしょう。
感謝の気持ちだけでは気が済まない特別に思い入れがあるもの、それはお寺に持ってきて供養しましょう。本堂で大切なものとのそれまでのことを振り返ることをもって内省し、これからの人生の糧とします。
大切なものを前にして内省をすることで、忘れていた物事の本質を思い出し、それをこれからの人生で実践することができるからです。それは貴方の人生を精神的により豊かなものにしてくれます。
本日は大黒様を2体、ご供養申し上げました。おかれていたお店、そこに関わる人がさらに飛躍することをご祈念申し上げました。