称号十念
10月の写経会を無事厳修いたしました。
前回は、写経会に併せてお念仏をお称えすることの意義についてご説明し、心静かに写経に臨みました。
今回は、写経を続けることの必要性について、私たちの有り様に絡めてお話しました。
私たちは聖人君主のように生きていくことが極めて困難なありさまです。仏教ではそのような私たちの有り様を「凡夫(ぼんぶ)」と呼びます。
写経を通じて自身を内省し心身ともに豊かな人生を送るために必要な心の状態を獲得しても、日が経てば日々の喧騒に飲み込まれて、感情を荒げたり、妬み僻みなど負の感情にとらわれてしまいます。凡夫である我々の有り様から考えてそれは仕方のない子です。
ですから、せめて少しでも良い状態になるよう、定期的にお念仏から始まる写経会によって心を静める活動というのが大切なのです。
このことは仏教の視点から説明せずとも、私たちは経験的に理解していることだと思います。しかし、頭では理解していても、そのための努力をすることがまた難しい。その点からしても我々はつくづく凡夫であると思い知らされます。
万事続けることも大変なことではありますが、散歩のついででも結構ですので次回も参加して頂ければ幸いです。
次回は、内省することについてお話できればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
合掌